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英語発音における「リダクション」とは?法則やリンキングとの違いを紹介

英会話の先生

「発音には気をつけているのにネイティブのような発音ができない…」とお悩みの人は、もしかしたらリダクションが原因かもしれません。リダクションは英語特有の発音のルールであり、法則を理解しておかないと意識的に使うことが難しいです。今回は、リダクションの内容や法則、練習方法について解説します。

 

リダクションとは

リダクションとは、一部の音を脱落させて発音することです。スペルにはあるにも関わらず、スピーキングでは音がなくなって聞こえるため、聞き取ることができません。たとえば「good job」という英語は、スペルを見て発音すると「グッド ジョブ」となります。しかし、リダクションによって「d」の音が消え、「グッジョブ」と聞こえるのです。

リダクションは、ネイティブスピーカーの中では頻繁に起こる現象です。リアルな英会話のリスニングやネイティブスピーカー並みの発音には、リダクションの習得は欠かせません。

リンキングとの違い

リダクションと同じ音声変化のひとつに、リンキングが挙げられます。リンキングとは、複数の単語がひとつなぎに聞こえる発音のことです。たとえば「thank you」という英語は、「k」と「y」の子音同士がつながり「サンキュー」と聞こえます。

リダクション・リンキングどちらも複数の単語がまるでひとつの単語のように聞こえる音声変化ですが、リダクションは音が消える、リンキングは音がつながる変化をしています。さらに、リダクションは一語の英単語でも頻繁に起こります。

 

リダクションの法則

英語を教える先生

リダクションが起こる英語は多く、一つひとつを完全に覚えることはできません。そのため、リダクションの習得には、5つの法則を理解することが重要です。

 

  • 単語の最後が破裂音の場合
  • 破裂音の次に子音がくる場合
  • 機能語が使われる場合
  • 「ly」で終わる副詞が使われる場合

 

それぞれの法則を深く理解して、リダクションを使えるようなりましょう。

単語の語尾が破裂音の場合

英語の破裂音は、「b」「d」「g」「k」「p」「t」の6つです。単語の語尾にこれらの音が使われる場合は、かすかに弱く聞こえます。

 

子音

リダクションの例

b

job

d

told

g

big

k

take

p

help

t

sit

 

基本的に、これらの音は「っ」という音に聞こえます。ただし、破裂音の種類や前の音によって聞こえ方が異なることもあるので、気をつけましょう。また、ここでの子音は、発音上の子音を表します。「take」の語尾は「e」ですが、発音上では「téik」となるため、リダクションが発動します。

破裂音の次に子音が来る場合

上記の破裂音に子音が続く場合は、最初の音の語尾はほとんど聞こえなくなります。

 

子音

リダクションの例

b

job partner(ジョッパートナー)

d

told me(トールミー)

g

big name(ビッネーム)

k

take care(テイッケア)

p

help me(ヘルミー)

t

sit down(シッダウン)

 

機能語が使われる場合

機能後とは、単独の言葉では具体的な意味をもたない単語のことです。

 

代名詞

I / it / them など

冠詞

a / an / the など

助動詞

do / can / must など

前置詞

at / on / in など

接続詞

and / or / but など

関係代名詞

that / which / who など

 

これらの言葉は文中において重要な意味をもたないため、ほかの単語に比べると弱く発音されます。ただし、文頭に使われる代名詞や一部の接続詞など、文中において重要な意味をもつ機能語は、しっかり発音されます。

「ly」で終わる副詞が使われる場合

「exactly」や「completely」など「ly」で終わる副詞の場合、「ly」の前に「t」や「d」の音がくると、その音はほとんど発音されません。

 

  • exactly(エグザクリー)
  • completely(コンプリーリー)
  • friendly(フレンリー)
  • definitely(ディフェネリー)
  • rapidly(ラピッリー)
  • honestly(オネスリー)
  • repeatedly(リピーティリー) など

 

リダクションの練習方法

英会話をするビジネスマン

リダクションが起こる単語は数え切れられないほどあるため、法則を理解しただけではすぐに完璧になることは難しいです。リダクションを身につけて自分のものにするには、以下の練習方法がオススメです。

 

  • ネイティブ英語の音声をたくさん聞く
  • 発音練習をおこなう
  • シャドーイングをする
  • 自分の発音を分析する

 

ネイティブ英語の音声をたくさん聞く

リダクションは、頭だけでは簡単に覚えることができません。まずはリダクションの音に慣れるために、ネイティブ英語の音声をたくさん聞きましょう。

ネイティブスピーカーは、会話中にリダクションを多く使用します。海外ドラマや洋画、ニュースやPodcastなど、音源は何でも構いません。できればネイティブスピーカー同士が会話をしている音源を選ぶことで、多くのリダクションを聞き出すことができるでしょう。

発音練習をおこなう

リダクションの発音に慣れるためには、発音練習も欠かせません。今回紹介したリダクション例はもちろん、リスニングで聞いて知った英単語など、なるべく多くのバリエーションの英語を発音することを心がけましょう。

リダクションの発音に慣れると、英会話でも自信をも持って話せるようになります。さらに、正しく発音できるとリスニング精度もさらに向上するでしょう。

シャドーイングをする

シャドーイングとは、流れる英語音声を真似ながら発音するトレーニング方法です。一文ごとにリピートするのではなく、聞こえてくる英語を1〜2語後に影のように追いかけながら発音します。リダクションが多く使われている教材を使うことで、リダクション練習の精度が高まります。

シャドーイングはリスニングと発音を同時におこなうため難易度は高いですが、リダクションの理解や発音どちらにも効果的な方法です。リダクションだけでなく発音練習のすべての練習になるので、継続しておこないましょう。

自分の発音を分析する

自分一人でリダクションの練習をおこなうと、本当に発音が正しいか悩んでしまうこともありますよね。そのようなときは自分の発音を録音し、お手本の音声に近いのかを確認しましょう。また、発音を定期的に録音することで、自分の上達具合も把握できモチベーションアップにもつながります。

 

まとめ

一部の音を脱落させて聞こえるリダクションは、ネイティブの英会話には必ず出てくるため、生きた英会話を話すには習得が必要です。リダクションは頭だけでなく、口や下の動きを慣れさせるのが重要なため、今回紹介した法則を参考にしながら、リスニング&スピーキング練習を重ねましょう。

一人でのリダクション練習に不安な人は、英会話教室の「フロンティア外語学院」をご利用ください。ネイティブの講師が多数在籍しているため、リアルなリダクションに触れられるだけでなく、正しいリダクションができているかをチェックしてもらうことも可能です。